保有していたテスラ株を全て売ったことについては前に触れましたが、今のイーロン・マスクを取り巻く状況を見ていると思っていたことがやっぱり起きたかという感じですね。とは言え企業や市場というものは日々変化しているものですし、テスラはこれからももっともっと大きく成長していくことでしょう。テスラに関して「わたしが正しかった」とは思っていませんし、先行き次第ではまた安く買えたらな、とも考えています。キャシー・ウッドARKは今もテスラ株408万株、8億ドル分保有していて、テスラが今よりも低価格のモデルをリリースできれば株価は数倍に跳ね上がると踏んでいるそうですね。

The Dawn Projectの警告

今回ご紹介するのは夜明けのプロジェクトと名付けられた組織からテスラに叩きつけられた強烈な警告についてです。まずは下のツイートと新聞紙面を載せた画像の右側のページを見てください。

ダン・オダウドが主導するプロジェクトの主張

ツイートはGreen Hills SoftwareのCEOで、The Dawn Projectの創設者、Don O’Dowd(ダン・オダウド)のもの、画像は先週7日にニューヨーク・タイムズに掲載された広告です。

広告はテスラに対する批判と警告であり、ユーザーへの注意喚起を目的として発信されました。創設者ダン・オダウドはCaltechカリフォルニア工科大学)を卒業したのち、ナショナル・セミコンダクター(2011年にTI=テキサス・インスツルメンツが買収)でOS開発などに携わったバリバリのエンジニアで、6年間TIでキャリアと実績を積んで1982年にグリーンヒルズソフトウェアを設立したとのこと。

The Dawn Projectより

The Dawn Project

ドーン・プロジェクトによると、重要な(医療・軍事・交通など人命にかかわる)部分におけるソフトウェアはバグやセキュリティの問題がないもの、ハッキングされないものである必要があるということで、同プロジェクトはその危険性を発見し訴えていく活動を行う、いわばテクノロジーにおける正義の集団とでもいうような組織です。

よりによってこのプロジェクトが最初に選んだ相手というのがそう、テスラであり、そこで問題となっているのはいつものFSDです。画像を見ていただけるとわかるように、テスラのFSDは「危険」で、「直ちに販売をやめるべき」というのがその趣旨です。

最新のテストでは動いている子供サイズのマネキンを何度も轢いている。FSDは欠陥が多く最悪のタイミングで間違った動きをする場合があり、ここ数十年の自動車業界において最も危険なものである。テスターがテスト中、車両が突然対向車線にハンドルを切ったためあやうく死ぬところだった。

何百件もの衝突事故が発生しているのに欠陥のあるソフトウェアを相変わらず販売し続けている。テスラのクラッシュテストのダミーになってはいけません

The Dawn Project

テスラのソフトウェアはハッキングされる危険性があるわけではないものの、ソフトウェアの安全性については大いに疑問があり、人命が関わるだけに大金を投じ全面広告を出してでもFSDの継続を止めさせたいと考えているわけですが、残念ながらテスラ側はこうした活動をまるっきり無視するのが良いと考えているようです。自動運転についてはルミナーのオースティン・ラッセルが「AVは完璧なものでなければならない」と繰り返し述べているように完璧な(完璧、の定義にもよるとは思うが)安全性が証明されていないベータ版を製品として有料で出荷するなどもってのほかと考える経営者・技術者がいる中でイーロン・マスクの選択はかなり極端なものに見えます。

ドーン・プロジェクトでは繰り返しFSDの欠陥をしてきしていて、たとえば次のようなYouTube動画を公式ブログに投稿しています。

動画の説明を読んでみると「8年も開発をしてきたのに誰も「進入禁止」や「通行止め」の対策をしてこなかったのはなぜですか?」と辛辣な皮肉が炸裂しておりますがこの動画を見ると言われてもしょうがないですかね。

ネタになりやすいFSD(/AP)

Twitterでもこの種の問題がユーザーからたくさん報告されていて、命がけでテストをする必要があるのかなと疑問に感じることもあります。

車線変更して割り込んできた車と衝突
道路外へ飛び出そうとしたのを回避
今一番話題になっているのはこれ

最後の中国発の動画は非常に恐ろしいですね、160km/hで走り続け最後に激突するというショッキングな内容でもあるので削除が相次いでいるのでしょうか。ただこの件についてはFSD/APが原因なのか否かは明らかにされておらず、テスラ側は事故調査に全面的に協力すると申し出ているようです。原因を早く知りたいものですがおそらくフロアマットにひっかかってアクセルペダルが戻らなかったのではないかと予想します。

また一方でFSDの出来栄えを絶賛している動画もたくさんあるので、Twitterの一部の投稿を見てFSDは悪だとここで言うのはフェアじゃないでしょうね。今後テスラがFSDをどう手懐けていくのか、まだまだ目が離せません。またドーン・プロジェクトの次の動きにも要注目です。

中国暴走事故の続報

こちらに続報が出てますね。

Tesla Model Y Crash in China Kills Two; Tesla Denies Malfunction

テスラはデータを取り出して検証したところブレーキは踏まれておらず、ずっとアクセルを踏んだ状態になっていた、ブレーキランプが点灯していなかったのもその証拠と証言していますが、ツイッターにはブレーキランプが点いていたという画像も出ていますし、これはテスラの言い分をそのまま信じていいのか若干疑問ではあります。また過去にもテスラが誤作動で事故を起こしたと主張するケースがありましたがいずれも虚偽または間違って情報を伝えたとして訴えを取り下げているようです。

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