今回は内容のまとめにそのまま入っていきたいと思います。それでは最後までお楽しみください。

OEMにおける進捗状況

ボルボ

現在非常に期待しているのは、ボルボ・カーズでのグローバルな生産開始です。これは、主要なグローバルOEMの車両が最新技術と機能を標準化する初めての瞬間であり、誰にとっても本当に画期的な出来事です。今年の生産開始に向けて全速力で前進できることに非常にワクワクしています。わたしたちは昨年発表してきた各マイルストーン、そして車両の生産能力と今年の目標を満たすためのランレートの能力についても無事に達成してきました。

こうして実際に新しいEX90のモジュール全体をインストールしているのが見えます。これは、新しいプラットフォームの一環として、各車両のLiDAR用カバーの内部にルミナーのLiDARが搭載されるというものであり、大幅に向上した安全性のビジョンを実現するうえで非常に重要なステップです。同時に、アシストドライビングシステムおよび最終的には高速道路での自動運転システムの性能を向上させるものでもあります。

ポールスター

さて、次に進みますが、今回初めてルミナーがブースで展示することになったポールスターとの素晴らしいパートナーシップとサポートについてCEOのトーマス・インゲンラスに感謝を申し上げつつ、ここでご紹介しましょう。開発やデザインの進化はとても素晴らしく完璧な製品に仕上がっていますが、運転支援(ADAS)および自動運転の観点から見ると、検知システムの性能限界を押し広げ、ポールスターのドライバーエクスペリエンスを向上させているのは特筆に値します。すでに成功裏にローンチしたポールスター3の発売を見るのが楽しみでもありますし、最終的には年末までにルミナーのLiDARがオプションとして装備されることになります。ポールスターの製品ラインアップは次の通りです。

まずは新しいポールスター3、そしてポールスターデーで発表された最新のポールスター4がこれに続きます。わたしたちはこれら魅力的な次世代車両プラットフォームにおけるシステム統合の一環としてMobileyeと共同作業をしてきましたが、まもなく披露できることを大変楽しみにしています。つまり、ポールスター3/4/5のすべてがルミナーを搭載することにより、極めて高いパフォーマンスを持つ運転支援機能のメリットを享受できるということになります。

もう一つのポイントとして、今回ご紹介するのは数年間に渡るMobileyeとの共同作業と開発が実際に生産車両に組み込まれた初めてのケースとしてわたしたちとしても本当に興奮しています。CEOのアムノン(・シャシュア)も数ヶ月前にポールスターデイのステージ上で詳しく共有してくれていました。ちなみにオンラインで見ている方々に向けてお伝えしておきますと、実は今日、ここにポールスター3が展示されています。実際の車両で搭載されているルミナーの技術を披露できることをうれしく思います。素晴らしい車に仕上がっていますね。

トラック分野

次に、主要な自動運転トラック企業の一つであるコディアックが、現行および次世代の車両のすべての長距離センサーの一部として独占的にルミナーを採用することになりました。加えて、(小型・中型トラックによる自動配送の)ガティックおよび(大型トラックでの自動配送の開発を行う)プラスとの提携も進行中です。ガティックはウォルマートを、プラスはアマゾンを顧客につけており、両社はトラック市場での運転支援システムの主要なプロバイダーとして大いに成功しています。

メルセデス・ベンツ

さて、非常にエキサイティングなこととして、メルセデスとの素晴らしいパートナーシップを挙げることができます。わたしたちはこの協力関係が成功するようにこれまで全力で取り組んできました。実際、昨年末に非常に厳格で厳密な監査を成功裏に完了することができていますが、引き続き生産の準備、高いクオリティを確保するための多くの作業がさらに必要であり、それらを実行していくのは楽しみなことでもあります。メルセデスのブースでは、コンセプトCLAのように極めて洗練され美しく、シームレスに統合されたLiDARが、メルセデスの次世代プラットフォームでどんな姿になるのか、ご覧いただくことができます。

そしてわたしたちはこの度、メルセデスAMGと協力して、フォーミュラ1用に世界で最も安全なセーフティカーを製作することになりました。

それでは、メルセデス・ベンツのCTOマーカス・シェーファー氏をお招きして一緒に見てみることにしましょう。

左がシェーファー氏、右はオースティン

メルセデスAMG F1

「セーフティーカーなんて数台作ったところでいくら儲かるの?それより新しいOEM契約発表してよ」という投資家の切実な声も理解できますが、メルセデスにとって非常に大きなブランド資産であるF1領域にまでLiDARが採用されたというのはただのお遊びでもなんでもなく、とんでもなく大きな意義があると思います。高性能な車両の頂点に立つF1で(レーシングカーではないが)証明された技術が市販車にフィードバックされるというのはモータースポーツの本質でもあります。

ここで、ルミナーのウェブサイトに掲載された説明を一部引用してみましょう。
Luminarとメルセデス・ベンツ、メルセデスAMG・ペトロナス・チームとのF1へのパートナーシップを拡大

世界をリードする自動車技術企業LuminarとMercedes-AMG PETRONAS F1チームは本日、Luminarの技術を公式FIA F1に統合するためにメルセデス・ベンツとのLuminarの既存の開発成果を活用する新たな戦略的提携を発表。

LuminarのLiDARは、高速かつ広範囲の条件下で静止/移動オブジェクトを検出できるため、FIA F1®公式セーフティカーに最適です。LuminarとメルセデスAMGは協力して、LuminarのテクノロジーをAMG GTブラックシリーズのルーフラインに統合します。

運用開始後、FIA(国際自動車連盟)およびフォーミュラ1®の規制遵守と承認を受け、FIAフォーミュラ1規則に準拠することを条件として、LiDARセンサーはFIA F1®セーフティカーの前方の環境をリアルタイムの3Dマップで作成し、セーフティカーのドライバーがハイスピードを維持しながらトラック上の状況を評価する能力が顕著に向上します。

オースティン・ラッセル「Luminarのテクノロジーは、常に自動車の安全性を向上させながらパフォーマンスの限界を押し上げることを目的としてきました。そしてF1では、メルセデスAMGは自動車愛好家が集う世界の舞台でその技術を極限まで高めています。メルセデス・ベンツと提携して市販車向けに開発されたのと同じ先端技術が、メルセデスAMG・ペトロナスF1チームにも共有され、市街地からアウトバーン、サーキットまであらゆる速度でパフォーマンスと安全性の優位性を実証することになる。」

CEO兼チーム代表のToto Wolff「Luminarとの新たなパートナーシップを開始できたことをうれしく思います。私は彼らのこれまでの歴史、技術、そして彼らが行ってきた仕事に深く感銘を受けました。これは本当にスリリングで革新的な分野であり、自動車産業とモビリティ全般に大きな影響を与えるでしょう。Luminar のイノベーションと起業家精神の文化は、私たち自身の理念や価値観とも一致しており、自然なコラボレーションが生まれました。」

メルセデスAMG F1のCEOで、かつてドライバーでもあったトト・ウォルフが「感銘を受けた」「革新的な分野」「文化・理念・価値観の一致」と述べています。ルミナーさん、いい仕事してきたんですね。

過去30年ほど実用的に運用されてきたセーフティカーですが、昔はそれぞれのサーキットで適宜車を選んでいたものの今はF1のレーシングマシンを先導できるほどの超高性能車両で、かつ高い信頼性も求められるということから車両が指定されており、ほぼメルセデスが独占しています。F1を実際のサーキットで見たことのある人ならおわかりかと思いますが、コースを疾走するセーフティカーの速さはF1マシンには及ばないものの、脳がバグるほどありえないレベルです。セーフティカーのドライバーは安全に速くコースを走らなければなりませんから、LiDARセンサーが超高速域でも自動的にコースとそこにある物体のデータを収集してくれればレースの安全性はさらに高まることでしょう。

わたしはこのコラボレーションはルミナーにとってもメルセデスにとっても、またメルセデスAMGにとっても素晴らしいものだと確信しています。

次になにが来るのか

LiDARの採用について可能性があるものの、まだサプライヤーが明確ではない自動車メーカーがいくつかあります。また、一応サプライヤーが公表されたにも関わらず、今後の提携が不透明なケースも見受けられます。ルミナーも、上に書いた複数のOEMとの提携を進めてはいますが、それに続く日産での採用状況などは全く見えてきません。ここでひとつの参考になるとあるデータをご紹介しておきましょう。

またまた参考にしてます、ブルルテさん

これはEVの各パーツをどのメーカーが製造し、どれぐらいのコストが掛かっているかを図解したものです。この図をずーーーーっと見ていただくとおわかりのように、ルミナーのIrisはやっぱり「高い」のです。(※もっと詳しく知りたい方はBoAのSusan Atranに直接連絡できます)EVとは構成がかなり異なりますがエンジン車でも理屈は同じです。各パーツに対する利益率がほぼ決まっているので、「安全だから、命を救うから、このパーツだけは粗利◯◯%にしておこう」とはならないのが巨大自動車メーカーの宿命。

ということでつまり、以前に書いた通り爆発的普及の鍵はIris+の次に来る、いわゆるモデルJということになるわけです。シーゲイトのIPを活用して小型・低価格化に成功すればシートベルトのような普及への道が切り開かれます。

ルミナーの業績が安定するまではまだまだ遠い道のりがありそうです。一方、計画には多少の遅れがありながらも着実に駒を進めて行っており、また口先だけの大風呂敷を広げたりはしない会社という堅実な風土も明らかになっています。元々長期で見ていくような銘柄ですので、何度も何度も言うように最新のテクノロジーに投資するベンチャーキャピタリストのような観点で見守っていくのはいかがでしょうか。

個人的なことを言いますと、$CRMがまもなく、もうほんの少しで利確まで近づいています。かなりうれしいながら、$LAZRの含み損をカバーするには至らず、まだしばらくの忍耐を強いられそうです。

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