いやぁ、さんざんFSDの欠陥について繰り返し繰り返し書いていたくせに、テスラには大変お世話になりました。

2年半ほどの間、テスラ株を買い続け「ボーっと持っていただけ」なのに一部は数倍、一部は2倍、そして最後に売ったロットは数十パーセントの利益と、とにかく儲けさせてもらったことについて本当に感謝しかありません。投資テクニックは一切関係なく、買った時期が良かったというのが一番の要素でしょうね。テスラは熱狂的なファンを世界中に抱えており、株主からも絶大な支持を集めているわけですが、実際に保有している間雑音が耳に届かなかったわけではありませんでした。以前に書いたゴードン・ジョンソンを筆頭に、イーロン・マスクはそのうち逮捕されるだの、テスラの株は紙切れになるだの散々なことも言われていましたね、でも2019年に経営危機から完全に脱出してからのイーロン・マスクの活躍は目覚ましいものでした。日本でこれほどのカリスマ性を持つ経営者っていませんよね。スケールが違いすぎます。なお、全部売って利益が相当出たらテスラを買ってもいいなと思っていたものの結局妻の賛同は1ミリも得られず現在ガレージは空いたままです。

このまま保有していればもしかするともっともっと桁外れの儲けが出たのかもしれませんが、残りの全株を微妙なタイミングで売った理由としては、Twitterの買収騒ぎを見ていてイーロン・マスクがこのままテスラの経営を継続するのか判断がつかないこと、そしてイーロン・マスクが次に何をしようとするのかが怖すぎるということがありました。ずっと手放したかったのでこの先株価が数倍になったとしても悔いはありません。

さて、今回はFSDについてのお話しとなります。わたしはFSDについて反対しているわけでもなければ、FSDが失敗に終わってルミナーのようなLiDARビジネスが大成功すればいいなどと思っているわけでもありません。むしろFSD/オートパイロットが人命を守る助けになってほしいと心底願っています。ただ、今のFSDは人命を救っているかもしれませんが命を失うきっかけにもなっていて、大きな問題を抱えていると思っているのです。

交通事故死者増加の衝撃

NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が今年前半に発表した2020年の交通事故死者数は2007年以来最多となる38,824人にものぼり、関係者に衝撃を与えました。

2019年と比較して夜間の事故、歩行者、スピードの出しすぎ、都市部の事故、飲酒運転といった要素に関係した事故死者数は全て増加しており、特にスピードの出しすぎによる死者数は17%の増加、飲酒運転は14%増加するなどドライバーに対する信頼性が著しく低下する結果となりました。また単独事故も9.4%増加していることから、「運転や命に対する考え方の甘さ」に加えて「単純に運転技術が低い」ことも浮き彫りになっています。

これだけでも自動運転を推し進める根拠は十分でしょう。皆さんは自分の住んでいる街に「飲酒運転」「猛スピードで走る車」が増え続けていることがわかってもまだ道路を走る車を信頼できますか?米国のデータでは死亡事故の45%で飲酒・極端なスピード違反・シートベルト非装着が判明しているのです。これでは安心して道を歩くこともできません。

LiDARを使う使わないは別として自動運転はヒューマンエラーによる死者を大幅に削減できるはずです。システムは酒を飲みませんしスピードはむやみに出さなければいいだけですから。しかし現時点では代表的なシステムとされるテスラのFSDは人間に代わって安全運転を進めるには能力が不足しているようです。

YouTube動画で振り返るFSDの現状

まず前提として「動画に出ているテスラのシステムが最新バージョンならどうなる?」という考え方は忘れてください。ここでは意図的に古いバージョンのシステムを使用するなどしてテスラを貶めるために作られた動画ではないと考えて引用しています。

テスラに在籍し、FSDの開発にも携わっていたAI ADDICTのYouTubeチャンネルから、5月に投稿されたFSDに関するテストの動画を見てみましょう。見る時間がないという方はいつものように下に書き出したまとめを読んでみてください。

FSDの投稿を続けテスラから解雇されたというJohn Bernal氏のチャンネル

AI ADDICTことJohn Bernal氏は2020年8月からFSDのテストオペレーターとして働き始め、その後FSDの問題点をYouTubeの自分のチャンネルで公開し続けたということで今年2月に解雇されています。彼自身もある程度覚悟はしていたはずですが、この解雇は世界のメディアで大変話題になりました。彼のテスラはもはやFSDをアップデートする資格を失ったものの、代わりに誰かが車両のテストを申し出ている様子で今もテスラのFSDについて公開を続けています。

彼は会社の機密を動画を通して明らかにしたことはなく、あくまでも一般的なドライバーが直面する経験を動画にしただけであると主張していましたが、テスラはそれを許しませんでした。AI ADDICTのチャンネルは開設後からずっと興味深く見ていたのでわたしも解雇されたことを聞いたときは驚きました。

現在はAI ADDICTの運営そして別のIT企業で新しいキャリアをスタートさせているようです。

テスラは障害物を回避できるのか

FSDを使用したテスラの前に立ちはだかる?のは、

バケツ(※人は含まれません)
パレット(※人は含まれません)
いす(※人は含まれません)
ごみばこ(※中に人はいません)
ビール樽(※ビールが入っているかどうかは不明)
BBQグリル(※人は含まれません)
ピックアップトラック(※運転手が中にいます)

さて、テスラはこれらの障害物をどのように検知し、システムはどのように介入するのでしょうか。

という肝心なところで今書いている途中の続きに結果が書かれています。しばしお待ちを!

おまけ(群馬・前橋初上陸)

先日、とある企業(大企業)を訪れるため群馬県は前橋市にはじめて降り立ちました。群馬県は高崎市に行ったことがあるだけですが駅前に気の利いた美味しい店がたくさんあってとても楽しかった記憶があります。しかし県庁がある前橋駅周辺は本当に何もなく(以下自粛)

これはお世辞でなく群馬の人たちは本当に人間性の良い方々が多く心洗われる気がしました。冗談抜きでリタイア後に住んでもいいと思えるぐらいです。

One thought on “テスラは売ったが今も気になるFSDの未来”
  1. […] 保険業界との提携という、なんとも事務的でお固い雰囲気を連想させる話題ではありますが、ユーザー負担が軽減されることへの反響はかなり大きいと聞いています。最近の交通事故死者数急増(以前の記事もご参照ください)で保険料は今後も値上がりが予想されます。実際に近年の保険料値上げは深刻で、わずか2年で年間保険料の平均が250ドル近く値上がりしています。※2020年の全米平均自動車保険料は年間1,517ドル、2022年は1,750ドル […]

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