さあ、2023年も始まりました。悪夢の?2022年を乗り切った皆様、いかがお過ごしでしょうか。

やはりコロナ騒動も一巡したからなのか、街に人が増えていますし観光客もとても多くなっていますね。ランチタイムにご近所の経営者の方と話していましたらコロナ前より売れているとおっしゃってました。また今どき、という感じではあるものの数年ぶりに新年会へのお誘いも増え久しぶりの新春気分を味わっております。一方、正月気分というものがないアメリカでは恒例のCESが3,200社の出展を集めて始まり、デジタル業界は賑わいを見せています。

Civil Maps買収を発表

プレスカンファレンスの際にルミナーオースティン・ラッセルはロゴ変更を含むリブランド、新しいHD3Dマッピングへの取り組みなどを発表しました。個人的に新しいロゴはいまいちパッとしないなと思うものの、HDマッピングビジネスについては興味深いと考えています。

リブランドに伴い新しいロゴへ。なんというか、普通すぎやしないか

Civil MapsはHDマッピング業界の中でも異色のコンセプトで開発を進めてきた会社で、Twitterでも触れましたがフォードを筆頭にソフトバンクNvidiaに売却を目論んでいたARMホールディングスもアーリーステージで投資していました。業界自体がまだ数年の歴史ながら有力な競合が少なくとも5~10社ある中でこの会社のユニークなところは、収集したデータをクラウドで統合して大量のデータを通信しながらマップを読み取るのではなく、ローカル(当初はエッジと呼んでいた)に保存されたフィンガープリントと呼ばれる圧縮データを読み取って自律運転に活用するというコンセプトにあります。

↑基本的な解説はこちら。大株主がフォードなのでテスト車両はモンデオ

そしてCivil Mapsの技術がすごいと言われる理由はそのデータ量の少なさ。カリフォルニア市街のHDマップはクラウドで4TB(各社によりデータ量は異なるが)ほどのデータ量となるところが、独自の技術でデータ容量を大幅に圧縮することが可能になり、車両自体に保存するデータをわずか400MBにまで小さくすることができるのです。その差なんと1万分の1!更新された部分以外の基本的なマップはローカルで処理するため通信の帯域にも依存せず、その分のコンピューター処理そして電力も抑制できるため電費・燃費にも貢献するという理屈。HDマッピングの再発明とさえ言われるほど画期的なアイデアのようです。YouTube動画などを見てわかりやすく解説しようと思いましたがすみません、説明できるほどには理解できませんでした。どうもオブジェクトのポイントクラウド(点群)を一定サイズのボックスに一括りにして捉え、※やっぱりまたの機会にします

ではHDマッピングはどのようにして生成されるのか。専門家ではないので少し間違った解説になるかもしれませんがわかりやすい例がGoogleストリートビューですね。屋根に大きなカメラなどのセンサーを取り付けた専用車両で撮影しながら街を走って情報を収集・合成していきます。他の会社も基本的には同じで、要するに労働集約型なので人と機材が動いてデータを取っていくことになります。そして街は常に変化していくので永遠に、定期的にデータ収集しなければなりません。

カメラやLiDARを備えた機材でHDマップを作成する会社は既にあり、主要市街地のマッピングはかなり進んでいるようなのですが、ルミナーの強みとしては世界中を走行する自社の高精細LiDARを搭載した車両の活用と、負荷が少なく高精度なマッピングを可能にするCivil Mapsのテクノロジーの組み合わせがあります。

2021年時点でHDマッピングの市場は14億ドル、それが2030年までに169億ドルにまで大きくなると予測(ルミナー調べ)されていることから、専用車両を走らせなくてもデータ収集ができる強みを活かしてビジネスにすることが可能になると踏んだのでしょう。ただ、クラウドソースを活用するためには大量の車両が街中を走行することが前提となります。したがってHWとその周辺システムの販売同様このビジネスについても株価を動かすほどのマネタイズにはある程度時間がかかると思われます。

それでも、べらぼうに高価な数十台のマッピング専用車両を使いドライバーを雇って行うのに比べて、物事が想定通り進めばルミナーの優位性は圧倒的なものになります。2025年以降の数年間で100万台以上のLiDAR搭載車が路上を走ることになるので、歴史上類を見ないほどの正確で詳細な3Dマップデータを収集できると考えられるからです。ルミナーのLiDARが普及し存在し続ける限り、言ってみれば勝手にデータが収集されるということになります。※一節によるとテスラはピュアビジョンの正確性をアピールするためデモではHDマップを使っていたそうですが

ルミナーへの投資については一夜にして奇跡の大儲けは無理、ベンチャーキャピタルのような気持ちで粛々と見守り時を待つ、というスタイルを覚悟してきましたしここでも再三書いてきました。今年もルミナーに関しては特に同じ考え方で買い増し&ホールドするだけです。「株価暴落しとるじゃないか、いい加減なことばっかり言いやがって!損したのはお前のせいだ」とお怒りの方もいらっしゃるでしょうが「知りません」。わたしは将来的に少なくとも数千万回収する目論見(KAWAZANYOU)ですが、投資はすべて自己責任で。だいたいハイリスクなルミナーを買わなくても安全安心でいい会社いっぱいあるでしょうに。

いつものやつ(おまけ)

最後に恒例のこれ。レクサスのラッピングフィルム、もちろん新しいロゴになってます。

ルミナーのマーケティング担当者さん、いい仕事する

テスラの思い切りのいいところを写した写真はさておき、いつになったら株価は回復するのか。これがみなさんにとって一番の関心事だと思います。昨年「この調子だとすっかり回復するまでには数年かかるだろう」と書きましたが、利上げの動向によっては今年いっぱいかかってなんとか一息つけるだけでもラッキー、そんな展開も考えておくべきでしょうね。いつ上がるのか、いつ下がるのかは結局誰にもわかりませんから。

気になる画像(おまけその2)

わたしがルミナーの提供したプレスキットの中で唯一気になった画像がこれ。

元画像にはメーカーロゴが出ています

SAICやVOLVOなどの展示車両を含め様々な写真がプレス用に提供されているのですが、この写真にだけオースティンと話している人のメーカー名まで(ストラップに)入っています。意図的にここではぼかしを入れていますが、なぜこの右の男性だけ誰が見てもわかるように映っているのかずっとひっかかっています。明らかにオースティンはプレス関係者も集まる中この男性に向かってなんらかの説明をしています。立ち話であって重要な商談でないことはわかるのですが・・・なにせこのメーカー、CESでも大注目されているところですし。※この件ツイートしましたらすぐ「詳しく教えて」とDMきましたがやっぱりみんな知りたい

さて本日は某大手輸入車ディーラーの方々との新年会があるのでここまでです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。投資も重要ですが、どうかみなさま健康には気を配ってくださいね。

2 thoughts on “CES2023で発表のHDマッピング”
  1. 確かに。。。mr.stockさん、さすがです!CESで発表された某車のroof topのデザインがIris/Bladeそっくりで気になっている人たちへの、Luminarからのヒントでしょうか。そして、新ロゴに変わってもなおデモ車がレクサス、これも期待していいのでしょうか。

    1. コメントいただいてたのにすみません。いろいろ推測が飛び交っているみたいですが事実がわかる日が楽しみですね。レクサスRXがずっとデモカーに使われているのは本当に気になるところです。トヨタのシステム開発子会社(AVもやってる)のCEOやCTOがCESでオースティンラッセルと接触してたことですしちょっとぐらい期待してしまいますね〜とりあえず27日の決算発表と翌日のルミナーデイを待ちましょう

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