AI ADDICT氏の動画からテスラFSDの検証を行ってみるという順番を無視し、昨晩公開されたルミナー・テクノロジーズの情報をお届けします(みなさん結局これが一番読みたい)。

Q3へ向けた四半期恒例の動画

今回は量産化がついに始まるのか!ということを大いに期待させる内容で、ルミナーとしてもかなり投資家の心配を払拭することを意識したような動画となっています。

ルミナーの説明をそのまま日本語にしてもわけがわからない部分があるので、いつものように前後関係がわかるよう意訳しています。

まずは半導体大手のオン・セミコンダクターエヌビディアに在籍していたオズセリック氏の説明からスタート。エヌビディアでは自動運転のプラットフォームであるDRIVE Hyperionの開発に携わっていたのでもうある意味エヌビディア陣営の総力戦という感じですね。


タナー・オズセリックTaner Ozcelik)Execitive Vice President and General Manager

オンセミ→エヌビディアというすごいキャリアをお持ちの方です
オープニングのシーンはおなじみのIris搭載レクサス

”これこそテクノロジーの力といえるでしょう。
これからの時代、車を売るには「A地点からB地点に行けます」とか、「レザーシートがついてます」などということよりも、車の内部に何が備わっているかが重要になってくるはずです。

これはルミナーのパイロット版ライン

ルミナーは、車の安全性を高める技術の最前線に立っていて、明らかにどこよりも優れた技術を発展させ、まとめ上げるという難しい局面を乗り越えてきました

もちろん、生産前の準備は大変ですが、この先には素晴らしい成功が待っています。製品開発そのものは非常に順調で、今年末には生産体制が整う予定です。入社2カ月目にしてこれらのことが容易に見通せるようになりました。自動車というのは製造業として最も難しい分野の1つとして存在し続けています。そこでビジネスを拡大するためには、会社の規模も自動車業界に適応できるレベルに拡大しなければなりません。

我々のビジネスは成長しており、新しい顧客と契約してきました。既存の顧客からもより多くの注文をいただいていますので、それに対応できるようにしなければなりません。現在の2つの製造パートナーセレスティカファブリネット)には満足していますし、どちらも製造ラインの立ち上げが順調に進んでいます。大量生産の開発も順調で、年間25万台の生産が可能になります。”

ヴァーノン・プリンス Vernon Prince)Senior Director of Advanced Manufacturing Operations

”今日はニューヨーク州北部にあるキャルバリー・ロボティクスCalvary Robotics)社に来ています。この会社は、ロボット、オートメーション、素材コントロールの分野で世界をリードする企業で、わたしたちは彼らが自動車産業で培ってきた経験を評価して提携しました。

わたしたちはこれまでLiDAR製品の組み立てを自動化するための組み立てラインを共同で設計し、順次構築してきました。そして現在では組立ラインの最終段階に入っており、こうしてご覧いただいているのはその次のステップを実現するために不可欠なものです。

ここは組み立て施設内に建設中のいくつかのラインの中のひとつで、接着剤などの塗布、ネジ打ち、検査といった作業がすべてそれぞれ異なるステーションで行われます。このステーションには検査用カメラがあり、前工程でセンサーに塗布された材料をチェックしています。

さらに付加価値の高いステップもあります。製品に使用する特定の接着剤や熱伝導性化合物を扱うディスペンシングロボットです。このラインはすべてクリーンルームで行われています。そのため、各機器類の設計、またどのようにクリーンルームに適合する機器を作るかという点で、注意深い配慮が必要です。たとえば素材や角の丸み、コンベヤーなどから発生する可能性のある粉塵などについてじゅうぶん考慮して設計されています。クリーンルーム用のコンベアは半導体を破壊するおそれのある静電気を除去するためESDに対応しています。また、製品の安全性を確保するために、多くのセンサー、インターフェース、潜在的な条件の検出を行い、ラインが無駄に稼働しないように考えられているのです。

ここを流れていった製品が皆さんの株価を押し上げるのですよ

このラインは年間約25万個の生産能力を想定して設計されており、世界のさまざまな場所で同様の生産体制を構築することが可能になっています。どのような場所でも安定した生産ができることは、非常に重要なことです。”

再びタナー・オズセリック氏へ

”メキシコのモンテレイにある新しい工場に生産設備が入るのがとても楽しみです。6年以上に渡り我々は自動車用LiDARの産業化に取り組んできました。そのおかげで、今や業界でトップクラスの性能とリーダーシップを発揮することができていると率直に思います。

奥に見えるのが建設予定地

ルミナーは革新的なセンシング技術を世界に普及させることができる会社であり、人々の命を救うと同時に、自動車でより快適に目的地まで移動できるようにする(単にA地点からB地点まで行けます、ではなく※ここはオープニング部分の回収)ことが実現できる会社なのです。”

さて、何度か書いてますがレクサスの自動運転はどうなるんでしょうね?

いかがだったでしょうか、動画ではかなり製造工程をわかりやすくオープンに見せてくれていました。登場した2人の上級スタッフが力強く「順調に進んでいる」ことをアピールしていましたね。このまま問題なく進めば、多くの投資家たちが心待ちにしていたIrisの出荷がいよいよ、まもなくやってくることになるでしょう。そして量産がスタートすると売上の成長率は大きく飛躍することになり、市場の冷え込みが緩和されるタイミングが来たときにようやく株価もそれなりの動きを見せてくれるはずです。

早く株価がドカーンと月まで行ってほしいとみんな思っているわけですけども、ルミナーに投資している人は成長を見守るベンチャーキャピタリストのようなものです。今のところ安心できる状況のようですので、芽が出るタイミングで芽が出て、花が咲くタイミングでちゃんと花開くことでしょう。

最後に仮定の数字ですが、1拠点25万台出荷となるとハードウェア単体としても25万台×500ドル×135円として日本円で売上は170億円近くになります。ボルボポールスターSAICだけでもそれなりの売上につながりますが、たとえばメルセデスは将来的に全車種にLiDARを搭載する可能性がありますので出荷台数は100万台~の規模になりますし、日産も同じようなポテンシャルを持つ顧客です。2023~24年頃からは相当見栄えのする売上を叩き出すことになるのではないでしょうか。

今わかっている範囲で各メーカーの世界販売台数にハードウェアの売上5001,000ドルをかけるとこうなります。※8/17追記・・・量産開始後の単価は1,000ドル前後です
ボルボ・・・70万台 7億ドル
ポールスター・・・2025年に29万台 2億9000万ドル
メルセデス・・・240万台 24億ドル
日産・・・400万台 搭載車両不明
SAIC・・・2025年に800万台 搭載車両不明
自動車ではざっとこんな具合かと思います。量産時の正確な販売単価も不明、どの車種に採用されるか具体的にわからない現状ではあくまでも想像上の世界でしかありません。※8/13追記・・・$500は現段階の価格目標だということで現状のハードウェア単価コストはもう少し、あるいはもっと高くなるようです。100万ユニット単位での実装が開始されれば長期的な目標として$100を視野に入れているとのこと。しかしそれはソフトウェアの収益が確約される代わりにということで間違いないでしょう。ソースはQ2発表後のインタビューにてオースティン・ラッセルがCOWEN(グループ)の質問に答えています。※8/17追記・・・販売価格は現状1,000ドル、コストの目標は当面500ドル→長期的に100ドルの見通しで、高価なコンポーネントを並べることなく設計をシンプルなものにするという理屈のようです。500ドルを下回るコスト構造にするには相当厳しい闘いが予想されます。

あとはTwitterにも書きましたが、ハードウェア以外の、サブスクなどのマネタイズを売上で証明すればハイテクに疎い多くの投資家への決定的な材料になるでしょうね。

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