Twitterで最初にこの記事を見つけたときはさすがに驚きましたね。簡単な解説は下に続きます。

ツイートされている方はボストンの新興アパレルメーカー創業者のソーヤー・メリット氏ですがなぜか内容は自律運転に関するもの。

引用記事およびメリット氏のツイートから読み取ってみると、ARKインベストの分析では現在150億ドルの市場とされるライドヘイリング市場は自律運転の普及によって2030年までに6~7兆ドル(ドルですよ、ドル)規模へ、さらには最大11~12兆ドル(ドルです!)に達する可能性があるということなんですね。

趣旨としては、自律運転が普及することで人件費と保険料は大きく下がる、つまりコストが下がって利益率が上がり、競争力が一層高まって利用率が上がっていく、というストーリーになります。具体的な数字として、現在UBERが1マイルあたり2ドル、DIDIは0.5~0.7ドルのコストがかかっているようなのですが、試算によると自律走行型タクシーの場合わずか0.25ドルのコストで運行できるそうなので、単純計算で原価が現行配車サービスの8分の1から2分の1しかかからないということなのです。上のツイートで引用された表がこちら。

ARK Investment Management LLC、Didi S-1、米国運輸省、内国歳入庁

わずかに鉄道やバスに比べるとコストは高いですが、この差なら混んでいるバスや電車に乗るよりも自律運転タクシーで家から直接目的地まで行く方がいいと思いませんか?ただ、わたし個人の見解ではARKのおみたてはやや極端ではないかという気がします。というのも、地域や国により交通事情も経済事情も異なるはずです。わかりやすい例としてはアメリカと日本を含む各国の燃料または充電価格の差、地域の治安によっては自律運転車両の盗難対策にかかるコストなどが違ってくるでしょう。また、運転手がいない場合リモートサービスへのコストも追加されることになります。

それでもきっと皆さんは次のことを知りたいと思うに違いありません。何兆ドルもの市場が新たに創出されるとして、これからどこに投資すれば儲かるのでしょうか?

ARKは、市場拡大の恩恵を享受するカテゴリーとして自律型テクノロジースタック(個々のパーツメーカーではなく)を製造する企業、または自律型プラットフォームの運営企業を挙げています。なるほどと思ったのは、現在の配車サービス企業が自前で自律走行プラットフォームを完成させられなかった場合、外部の自律走行プラットフォームプロバイダーへのコストが負担になるだろうと予想しているところで、あらゆる企業がこぞって開発を進める理由がここにあるわけですね。

低迷するLiDAR株も2030年にはもしかすると10兆円企業になっているかもしれないと思うと夢のある話です。しかし自律走行についてはかなり幅広くターゲットがあると思うので、ご興味のある方は今から10年後に向かってしっかりとアンテナを張り巡らせておく必要があるでしょう。

4 thoughts on “自律運転でとんでもない市場規模に?”
  1. こんにちは。
    自動運転の未来は今から非常に楽しみですね。既にご存知だと思いますがCEO含めベロダインライダーの幹部が入れ替わりましたね。あれから内部のゴタゴタがどうなったのか、また記事にしてもらえると嬉しいです。相変わらず株価はボロボロですが、色んな企業とも提携がきまっているみたいで来年あたりは飛躍の年になってほしいです!!

  2. こんにちは、コメントありがとうございます。ベロダイン、気になってずっとチェックしていますよ。
    実績のないゴパラン氏では舵取りは難しいだろうと書いていたらしっかり報酬で一儲けしてあっという間に退任してしまいましたね。ベロダインはTwitterでも積極的に情報発信しているのですがどうも内容がお堅い技術寄りすぎて投資家にアピールができていないように思います。これについてはどこかのタイミングで一度ベロダインに直接コンタクトを取ってみるつもりです。いずれにしても技術と実績のある企業ですので長期的に取り組む必要がありますね、株価が安いのであっという間に利益が出てしまいますからじっくり待って楽しみに育てていきましょう~

  3. […] 次に、自律運転が思ったほど普及しないとしたら、もはやそれは天地がひっくり返るほどの非常事態ということになるでしょうね。自律運転は今後急速に拡大します。もう普及しない理由や可能性を考える必要はありません。わたしが大きな期待を持っているのは、ARKが公表した自律運転普及によるライドヘイリング市場の拡大です。これにより混雑が煩わしいバスや電車を使わず格安で目的地まで直接たどりつけることになるからで、唯一心配しているのは「運動不足」です! […]

  4. […] 最初の質問についてはイエスですね。それが最近資金調達を行って大規模な自社株買いを行った理由の一つでした。わたしたちはこのビジネスに大きなチャンスがあると考えており、率直に言って現時点では非常に過小評価されています。あらゆる要素を考えてビジネスが成功するとしたら1兆ドルのチャンスが(筆者注※もちろん売上という意味ではない)開かれている(参考:ARKインベストの分析)と考えています。 […]

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