この前の記事で、オースティン・ラッセルコーウェン・グループの半導体・モビリティ技術担当VPであるジョシュア・ブチャルター氏からの質問に回答した内容を少しばかり引用しました。Q2のインタビュー全体に結構「ほぉ~」と思えるやりとりが含まれていましたので、長い長い説明を理解するのにものすごい労力が必要でとてもきついのですができる限り短く要約して書いてみたいと思います。なお、きついのは英語よりも内容の理解です。全体を繰り返し読むだけで3時間ほどかかっています。

ところで、ブチャルター氏に質問の機会が与えられた際、彼の一言目は「こんにちはみなさん、Q2の結果おめでとうございます」でした。これだけでも市場の受け止め方がわかるというものです。

わたしはQ3まで大した期待はできないし、多少数字が良かったところでたかが知れていると思っていました。しかし意外にも金融のプロたちの反応はいい意味で違ったようです。←結果論

参加者

このインタビューには主に次のような人達が参加していました。

Trey Campbell – Vice President of Finance & Investor Relations – Luminar

Austin Russell – Founder & Chief Executive Officer – Luminar

Tom Fennimore – Chief Financial Officer – Luminar

質問:

Itay Michaeli – Citi

Josh Buchalter – Cowen

Mark Delaney – Goldman Sachs

David Kelley – Jefferies

Emmanuel Rosner – Deutsche Bank

要約

インタビュー内容に関連するため再度この動画を貼っておきます。

四半期ごとに次の四半期に向けて動画をリリースしている

まずはオースティン・ラッセルのプレゼン

オースティン・ラッセル:

わたしたちは年末の量産化開始に向けて実行スピードを加速させています。需要は高まっており、今年(来期じゃないですよ、今期です)の財務ガイダンスを増やします。これまでのところわたしたちが予想していたよりはるかに好調に事業は成長しています。

現在、市場が低迷しマクロ経済はとんでもない逆風にありますが、わたしたちの業績はそれを感じさせないものとなっています。重要なポイントとして、自律走行産業におけるプレーヤーのほとんどはドライバーレスのロボタクシーですが、わたしたちのビジネスはドライバーをロボットに置き換えるのではなく人間のドライバーを支援して安全性とドライビングエクスペリエンスを向上させるというもので、そこが異なっています。結果としてルミナーの事業は順調に軌道に乗ってさらに加速しており、減速する気配はありません。だいたいが口約束はするものの実現できないことが多いのですが、わたしたちの場合約束したものよりも多くのことを実現していきたいと考えています。

今四半期のトピックとしては次の3つが挙げられます。
1.実行してきたこと
2.規模の拡張
3.テクノロジーにおけるリーダーシップ

1について。Irisの製品化こそがもっとも重要な仕事で、年末までにIrisを発売し、量産に移行するため主要顧客向けの準備を進めています。並行してプロアクティブ・セーフティと高速道路自動走行用ソフトウェアソリューション、Sentinelの開発が進行中です。

OEMについては今後2年間に渡って複数のOEMパートナーに対応するため集中的に取り組んでいます。Q2では主要OEM先の量産プログラムを完成させました。自動車メーカーとしてもルミナーの進捗を見て自信を深め、未来に向けたロードマップを支える存在として期待してくれています。

また急速に拡大する市場として中国の存在があります。わたしたちは中国市場を重視しており、存在感を高め投資を実行してきました。現在大手自動車メーカーのSAICと密接に連携していますし、Q2には吉利集団参加のテクノロジー企業ECARXと提携しました。

2について。製品の量産化を成功させたことで、次はさらなるビジネスの拡大に向けた規模の拡張が重要になってきます。複雑な製品の大量生産には膨大なリードタイムと資本力が必要で、さらにそれらをまとめ上げる優秀な人材も不可欠です。

そこで、ビデオで見ていただいたとおり顧客の要望に応じて(搭載車両が増えたときのためもっと生産能力を増強できるのかという具体的な話しが出ているということの裏付け)、製造委託先と共同で工場を建設する予定です。この新しい工場ではキャルバリー・ロボティクスと共同で高度に自動化された製造ラインを構築し、初期ラインで年間最大25万台の生産が可能になります。

メキシコのモンテレイにあるセレスティカの工場では既に量産設備が稼働していて、今年末には実際の量産体制が整い、来年後半からは大量生産に向けた専用の生産施設の稼働により飛躍的に規模を拡大できるようになります。

Iris(LiDAR)は世界初のテクノロジーですから製品を完成させるだけではなくそれを大規模に生産するためのチーム、パートナーが必要です。

3つ目について。わたしたちは業界トップクラスの人材を確保してきました。一例として、Nvidiaで自動車関連事業を担当していたTaner OzcelikをGMとして迎えることができましたし、CJムーアはテスラでオートパイロット、Appleで自律システムを担当していました。彼らはチームに加わって既に重要な仕事に携わっています。

とにかく順調に進んでます(毎回これですが)

ルミナーにとって重要なのは、100年ビジョンとして人命を救い、安全性と自律性の未来を促進するという長期的ビジョンを実現することであり、われわれはそのために全てを注いでいます。

そしてマクロ経済や市場の逆風などの影響をほとんど受けていません。全ては順調に進んでいます。バランスシートは強固なもので、市場は加速しています。

わたしたちは、市場が勝者の一人勝ちのシナリオに設定されていると真剣に考えています。この厳しい市場の裏側では、リーダーシップと幅広い顧客の獲得によりさらにビジネスが加速していくと信じていますが、ルミナーには重要な顧客、人材、テクノロジー、そしてビジネスを成功させるに足るキャッシュがあります。

・・・このあたりで続編に行きたいと思います。

補足:ライバル企業の状況

Ouster:2022年の収益を大幅下方修正。自動車担当副社長は6月に辞任。なんとか資金調達できている状況。

Cepton: 2022年のガイダンスを半分ほどに下方修正。キャッシュ不足は明らかで、直近の四半期で製造できたLiDARユニットはわずか400台。

Aeva:自動車メーカーの受注がないため収益はわずかだが資金調達には成功している。今のところひたすらキャッシュを燃やし続けている。

Velodyne:現金は10%程度減少。自動車シリーズ生産用の唯一のセンサーH800を製造中止にしたため、残された分野はロボット、テスト車両、シャトル、ロボタクシー用のセンサーだけ。

Innoviz:BMWの契約を勝ち取ったものの収益を2023年末まで後ろ倒しに。Q1にVWを獲得。BMWの契約が多少増加する可能性はあるが、収益の大部分はMagnaの手元に行く模様。キャッシュは10%程度減少。

Microvision:この会社には元々技術も何もないので期待するだけ無駄(期待をかけておられる方には予めお詫びします)。キャッシュは絶望的に枯渇。

Quanergy:新株発行で大幅にダイリューションを起こすもどうにか資金調達を実行、しかし現在のキャッシュはわずかに1800万ドル。なくなるのも時間の問題。

Thanks, @beauregard2

4 thoughts on “Q2後のインタビュー内容より要約(前半)”
  1. この記事を読んで安心しました。
    株価もいつの間にか盛り返してきて年内には含み損が解消されそうな勢いです。同じくベロダインの株価もこの数日爆上げですよね。決算は大した内容ではなかったと思いますが何か裏で動きがあるのか気になっています。
    後半の記事も楽しみに待ってます!

  2. ハドウさん、ありがとうございます。夏休み終盤は家族のため完全オフでした。
    株価は思ったより早く戻りつつありますね、これがもとに戻ったということなのか、または一時的なものなのかは全くわかりませんが・・。
    LiDAR銘柄は軒並み上昇していますがしっかり上げていくにははやり業績次第で、そう遠くない将来に勝者と敗者がはっきりしてくるのではと思います。
    元祖LiDARのベロダイン、自動車市場は難しくても他市場をしっかり攻略してほしいです。

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