セールスフォースの将来性
親日家のCEOマーク・ベニオフ:来日した時は必ず京都に立ち寄るというベニオフ氏は言わずとしれたオラクル出身の大富豪で、セールスフォースの創業者です。先週末時点の株価で算出するとベニオフが保有するCRM株の資産価値は約72億ドル、日本円でほぼ8000億円ほどということになるでしょうか。最近は資産が兆単位というお金持ちが増えているので8000億円は意外に少ないと思ったわたしもきっと麻痺しているのでしょう。
ベニオフは金持ちが富を独占することに批判的で、慈善団体であるセールスフォース・ドットコム・ファンデーションを通じ会社の資産を社会に還元する画期的な仕組みを構築していることで知られていますが、従業員の満足度が非常に高いのは彼の持つこうした理念が大きく関係しているのでしょう。日本でも従業員の数をどんどん増やしており、アジアで最も重要な市場のひとつとして投資を続けています。このようなところを応援したいな、というのもわたしがCRM株を選択するモチベーションになっています。
ビジネスの成長性:少なくとも今後5年間に渡りセールスフォースの成長は引き続き目覚ましいものになるでしょう。現在でもクラウドベースのCRMソリューションでは絶対的存在と言われており、世界のCRM市場の20%ものシェアを握っているのです。直近の会計年度の売上は212億ドルと素晴らしい実績です。しかしCEOのベニオフによると今後5年間で売上が500億ドルを超え、近い将来時価総額は1兆ドルに達するとの計画をぶち上げており、そのための営業人員と戦略は整っているというのです。4~5年で売上倍増ですよ?やはり企業の魅力は収益における成長性ですよね。わたしの目には絶対的シェアをさらに強固なものにしたセールスフォースの未来が映っています。ベニオフ氏がこのままセールスフォースを率い続けるなら、企業が成長しただけ社会貢献もより大きくなることが期待できます。※ごく最近のインタビューでベニオフ氏は「当面現在の職を辞することはない」と明言しました。
補足ですが、IDCの調査では世界のCRM市場が2019年の478億ドルから2027年には2.37倍の1135億ドルに達すると予想されています。セールスフォースの勢いがこのまま続けば売上倍増計画は市場の成長率とほぼ合致することになりますね。
Slackの買収:Slackを277億ドルで買収するということが明らかになった昨年12月1日、これはとんでもなく高い買い物に飛びついてしまった、セールスフォースはもうおしまいだという悲観論が多くみられ株価は大きく下落しました。20兆円を軽く超える(買収発表当時)ような世界を代表するメガキャップ銘柄と言えども3兆円近い買収資金は財務を圧迫するのではないかという予測で、これは当たり前すぎる反応でしょう。しかしベニオフの野望は遥か先を行くマイクロソフトに追いつき追い越すこと。これを実現するために毎日数百万人が使うコミュニケーションツールを手に入れることはベニオフにとって悲願だったと言われます。結果、Slackの買収後決定後もビジネスは順調に拡大を続けており、この連携により今後毎年順調に20%の増収が見込めるようになったとのこと。
大きな成長がまだまだ続く
今後の資本政策がどうなるかが流動的ですので単純には計算できませんが、今の時価総額が約2000億ドル、それを1兆ドルまで成長させることができるということは、株価が数倍に膨れ上がることになります。しかもセールスフォースはこれまで20年以上をかけて大きく成長してきましたが、これからはもっと速いスピードでの成長が求められることでしょう。それだけ期待されているということでもあります。
というわけで今後も上手に買い増ししながらCRM株を中長期的にホールドしようと考えているのです。やっぱりなんとなく買ってみたり、なんとなく売ってみたりという短絡的なやりかたではなくいろいろ調べてみると楽しいものですね。
[…] →次回に続く […]