トランプさん、ついに大統領に返り咲きましたね。今のところ当選後からご祝儀相場と言ってもいい展開で、特にテスラは大幅に値を伸ばしています。こう市場が賑わっていたら文句を言う人はいないでしょう。大統領選におけるイーロン・マスクの役割は大きく、彼は今後もアメリカのスーパーヒーローであり続けるのではないかと思います。個人的な興味としては、エプスタインの本物の顧客リストの公開を待ちたいですね。ゴシップ的な興味ではなく、人身売買のようなことが行われていた、それも未成年の子どもたちがいたとなると、子どもを持つ親としては絶対に許せないという感情があります。事実かどうか全くわかりませんけれども、とにかく正義の裁きが執行されることを願います。また、民主党政権時に日米の関係性が蔑ろにされてきたことには非常に危機感を感じていました。これはオバマ政権時にも危惧していたことで、当時の日本はアメリカよりも中国の方を向いていたように思います。

今回の大統領選で他に注目されたこととして、アメリカの政治や選挙に精通していると言われた専門家たちがことごとく予想を外し、テレビや新聞でメディアが主張していることが全くもってトンチンカンだったということがありました。改めてメディアがいかに信用できないかということを多くの人が痛感したのではないでしょうか。わたしがちょっとイラッとしたのは、「トランプの支持者は低学歴で低能、物事を何も理解していないクズ」というようなとんでもない主張をメディアが垂れ流していることですね。わたしはトランプ支持者ではありませんが、物事を何も理解していないのはメディアのほうです。テレビ局からの取材を受けてきた側からすると、番組を作る方々は特に高学歴でもなければ理解力がある方でもなんでもありません。なお、わたしがお受けした取材は主にフジテレビ系でしたが、対応されていた皆さんとてもいい方々ばかりで人間的に問題があると感じたことはありませんでした。しかし最終的にテレビの前で「◯◯党の支持者は無学で無能」というような非科学的で差別的なことをよく発信できると思いますね。鏡で自分たちの顔でも映しているのでしょうか。そもそもテレビに出ている人たちはプロのジャーナリストでもなんでもありません。某池上氏のように、お金をもらってシナリオをさも事実のように読んでいる専門の「役者」です。

さて、4月に地裁で民事訴訟を提起しましたが、Xで書いた通り判決に至る直前でこちらの主張を全面的に認めるという内容の和解が成立しました。ここから先は米国株に全く関係がありませんので、興味のない方はそっと閉じていただいたほうがよろしいかと思います。手前味噌ですが読み物としてそこそこ面白い内容にする努力はしております。

訴訟の値打ち

まず、今回提起したのはいわゆる通常訴訟ではなく、労働関係の定型的な争いを扱う専門の制度です。労働◯◯(調べればすぐわかりますので正式名称はあえて書きません)という名称は、わかる方にはわかるかもしれませんがほとんどの方には縁のない制度でしょう。しかし、労働関係で泣き寝入りしないために、頭のおかしい経営者を倒す術は身につけておいたほうが賢明です。
「なんだ、結局金かよ」
はい、もちろんお金が一番です。

結論から言いますと、今回和解した金額は年収の約2年分になり、それを約1年かけて分割で支払ってもらいます。いろいろ攻防があったのですが分割を受け入れることで大幅に金額がつり上がりました。この制度を活用した方々の解決金(和解金)としては上位3%以内、通常訴訟の場合でも6.5%に入る高額水準です。そして全面的に和解したということは建前上または法律上、会社側がそれほど高額な金額を払ってでも完全に、100%自らの非を認めたということになります。つまり、わたしの側に間違いが一切ないのに泣き寝入りするのと、相手の間違いを法律に則って処理してもらい金銭的解決を図ることとは天と地ほどの差があるということです。

必死で働く経営者にさんざん迷惑をかけるような困った人も中にはいるでしょうけれども、労働者としての権利を明らかに侵害された場合にはよほどの事情がない限り法的に争うべきです。「お金がかかる」「争うのが面倒、または怖い」と言っている場合ではありません。人生をかけて闘う価値があります。ただし勝ち方をわきまえているべきだと思います。労働問題が生じて苦しんでいる、あるいは大きな問題が起こり得る方々にはひとつ、今はまだ広く知られていない重大なヒントをお伝えしておきましょう。※後述します

訴訟の行方

労働◯◯という制度では、専門の委員会が設けられ、通常
・申立人(ほぼ労働者)と代理人
・相手方(訴えられた側)と代理人
・裁判官と他に2名の委員
が出席することになります。

申立人と相手方が直接対決するのでいやだなぁと思うかもしれませんが、直接会話することはなく裁判官を通じたやりとりが行われます。また必要に応じて代理人弁護士が話を整理してくれますので、訴えた側が法律に則って相手をやりこめようとか、その逆にやりこめられたらどうしよう、と考える必要はなく、聞かれたこととそれに関連する重要な文脈または証拠を淡々と話すだけです。わたしは前職で前社長と話す機会は非常に多かったですが、事業継承した新社長(息子)とほとんど会話したこともなかったので一ミリの緊張もなく裁判官と会話することができました。

この制度では、ほとんど3回で手続きが終了します。その3回がそれぞれどんなだったかをご説明しましょう。

1回目
事前に相手方から出てくるはずの資料は届かず、当日答弁書という反論書面を見せられました。内容はほとんどわたしに対する誹謗中傷と言ってもいいもので、「ストック氏は成績があまりにも悪かったため顧客とのトラブルを多数抱え、たいした仕事もしていなかったためやめてもらうのは当然だった」という苦しいお気持ちが延々と書かれていました。

こちら側の反論として、「成績不良、顧客からのクレームが本当なら一つでもいいので内容を具体的に示していただきたい」「なぜ、たいした仕事ができない社員に国内外の論文のゴーストオーサーシップ、大手企業への営業担当などを全て任せていたのかお答えいただきたい」ということを伝えたところ、「具体的なエピソードなどの情報は出せない」ということで、その後口頭でも資料でも出てきませんでした。それもそのはず、ごく最近の「ストックさんはどうやってこんな売上を出せるんですか?」「ストックさんは非常に優秀」という社長の発言をあらかじめ録音しており、それを事前に文字起こししたうえで相手に通告していたからです。また売上に関しては過去のあらゆる社内の成績をぶち抜く数字を叩き出していたので、出さなかったのではなく出せなかったわけです。

裁判官が社長に色々質問しましたが、資料を何も持参しておらずメモもとらないまましどろもどろだったため、2時間かけてほとんど審理が進まず、1回目の終了時点で「会社に非があることは明白で、金銭的解決が望ましい」という見解が示されました。わたしの説明に対して途中から相手方弁護士も防戦一方となり、最初はものすごく偉そうにしていたのですが途中からわかりやすく低姿勢に転じることに。

2回目
事前に提出するはずの資料は今回も届かず、審理前に簡単な確認のため出頭してほしいと言われていたにも関わらず遅刻、弁護士が「体調不良で社長は来ません」ということでしたので、裁判官含む委員と、わたしと弁護士さんとでほとんど欠席裁判のように条件や金額をなごやかに相談。「ストックさん、ずばり条件を言っていただけますか?」「はい、◯◯と考えます。◯◯は受け入れられませんので拒否します。先方も応じないのであれば何年かかっても訴訟で争いますのでそうお伝えいただいて結構です」「わかりました、ではその線でこちらも進めていきますね」という感じです。会社側弁護士はいても何もできないので大半の時間控室で待っているだけでした。

3回目
会社側は審理開始時間に10分遅刻。おそらく15分ほどで決着するような内容でしたが、おおむね2時間を費やすことになりました。時間が長引いたのは会社側が資料を何も準備していなかったためで、たとえば
会社側弁護士「就業規則にこう書いてあるので◯◯代は減額されます」
裁判官「ではいくらになるんですか?」
会社側弁護士「えっ・・・計算してないです」
裁判官「はい?過去3回、話が全然進んでいませんね、事前の準備を再三お願いしていましたよね?」
というように準備不足(というより何も準備していなかったのでは)が明らかだったため、そして、2時間の審理中、社長が裁判官の質問に一言も答えず発言せず、ずっとスマホをいじっていたためです。裁判官が「社長、◯◯はどうなっていたんですか?」「シーーーーーン・・・・」これが続き、相手方弁護士を含め唖然とした空気の中で審理が進みます。

そして終盤、裁判官の質問にまたもや無言だった後、裁判官が沈黙を破り「もういいです、お答えにならないということは異議がないということで進めさせていただきます。ストックさん、代理人先生、一度退出してください」と指示されました。30分ぐらい経ってから裁判官に呼び戻されて部屋に戻ると、「相手方はストックさんの申立てを全面的に受け入れ和解することに応じられます。では調書を取りますので少しお待ち下さい」

ということで完全に勝ちました。あっけない終わり方でした。まだいろいろと書きたい裏話はあるのですが、万が一どこのどのような会社だったのか、どこの裁判所でどの裁判官だったのか、などがわかるといけませんのでかなり省略いたしました。

勝つための大きな仕込み

今回の争いの間、友人たちに一番聞かれたのが「裁判費用かなりかかったんじゃない?」ということでした。実はこれが今回最大の成功要因で、弁護士保険に加入していたため、相談料、着手金は全額保険でカバーできましたし、成功報酬も半額負担で済んで非常に助けになりました。弁護士保険は毎月数千円負担だけで、わずか数万円。百万単位の弁護士費用が最終的に半額以下になる計算です。ただし、事件が起きてからの保険加入は適用外で、たとえば「解雇します」と言われてから保険加入しても保険適用にはならず、事前に免責期間を超える数ヶ月間の保険費用を支払っている必要があります。わたしの場合、新社長が相当やばい人物であることがわかってからこうした問題が争いになることを予感してすぐ保険に加入していたので本当に助かりました。

さらに付け加えますと、この保険適用の重要なポイントが、保険会社の想定として労働問題の割合がかなり低く見積もられているであろうということです。おそらく現時点では離婚問題やその他の金銭トラブルの方が多く、社内に専門的知識を持つ人も少ないのではないかと考えられます。そのため、意外に加入者に対しては保険金支払のハードルが低く、電話で1回相談するだけで簡単に手続きが終わりました。その代わり弁護士さんが書く書類が手間で少し大変なようなのですが・・・。

労働問題でトラブルになりそうな方は、ぜひ弁護士保険の加入も検討されることをおすすめします。広告ではありませんのでどこの会社のどのような保険に加入すればよいかは割愛させていただきます。困っておられてご興味のある方はXのDMでお聞きください。なんでもお答えいたします。

紛争解決のその後

係争中、いろんな書類の準備を相当念入りに行いましたが、気分的には腹が立つぐらいでマネーゲームと割り切って対策していたのでそれほど落ち込んだり悩んだりはしませんでした。しかし和解した当日は家に帰ってぐったり、夜シャンパンでお祝いした後、翌日夕方まで立ち上がる気力もありませんでした。

同時期にわたしの事件とほぼ同額の金銭トラブルが発生し、一足先に相手方と和解していた親友(原告側)に結果数万円の違いでこちらも和解したと報告したところ、「本当になぜ日本人が経営者をもっと訴えないかが理解できない。金銭的解決が悪だと思ってるんだろうな」と言っていましたが、さすがに今後はこの種の争いがどんどん増えていくのではないでしょうか。

次の仕事はまだ探しておりません。フランスのとある有名ファッションブランドのCEOを務める友達に勧められて登録したサイトから、外資系企業の打診を受け取りましたが、3週間ほどやりとりして先方の◯◯人の話の進め方と報酬の提示額が気に入らず、これまで口にしたことがないぐらいの結構な嫌味を言ってお断りしました。今後は半年以内を目処にじっくり探していきたいと考えております。

※今回の記事では検索に引っかからないよう意図的に専門用語を使わなかったり名称などを適宜変えたりしております。

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