ルミナーデイの3時間半にもおよぶ長い長いプレゼンテーション動画で発表されたトピックスは次のとおり。もう読んだし内容も知ってるよ、という方はこの記事まるごとスルーしてしまってください。

決算内容
・新しいIris+センサーをリリース
シーゲイト・テクノロジーからLiDAR資産を買収
・増産体制のためメキシコでオートメーション工場を新設
・自動車メーカーの20以上の車種に搭載予定、今後5年間は毎年少なくとも3桁の収益成長を見込む
・Luminar AI EngineとScale.aiとの独占パートナーシップを発表
Swiss Re(スイス・リー)およびPony.aiとの新たな契約
・半導体の子会社を統合、Luminar Semiconductorを設立

ルミナーは人命を救い時間を節約するのに貢献できるか

※追記:ルミナーデイの動画、やっぱりサムネイルはレクサスRX(先代型)なんですよね。ロゴをブラックにして消していますがこれはルミナーからの熱い想いを示すものなのか、レクサスとのビジネス継続を意味するのか、長い間答えは出ていません。

決算ハイライト

売上高:
Q4の売上は$1110万。
2022年通期の売上は$4070万。
通期予想は4000万だったので期待値が高かったものの着地はほぼ予想通りに。

純損益:
Q4のGAAP純損失は$1億4,480万、1株当たりでは$-0.40、Non-GAAP純損失は、生産設備投資拡大などにより予想をわずかに上回り$9,490万、1株当たりでは$-0.26。
2022年通期のGAAP純損失は$4億4590万、1株当たり純損失$-1.25、Non-GAAP純損失は$2億7930万、1株当たり$-0.78。

市場性のある有価証券を含む現金ポジション:
2021年12月31日時点の$792.1百万。
2022年12月31日時点では$488.9百万。

営業活動に使用したキャッシュ:
Q4$-74.7百万。
2022年通期$-208.2百万。

フリーキャッシュフロー:
Q4-$79.5百万
2022年通期-$226.3百万ドル

フリーキャッシュフローへの道のりは遠いです。世界的な競争の激化により設備投資を中心とした投資が進み、予定より早いスピードでキャッシュが減る可能性があります。ルミナーの計画では2023年末の現金残高を$3億と見積もっており、3億ドルで足りるのかな、とも思ったのですが、以前のトム・フェニモアの説明では「自動車メーカーではないので直近でそこまで巨額の設備投資資金を必要とはしない」ということでした。

2023年中には100%の売上増加、粗利率の黒字化が見込まれるとのこと。売上増に伴い販管費も急増するのでキャッシュを生み出すまではまだまだかかります。

新型Iris

新型となるIris+と現行Irisの検知距離の違いをわかりやすく写真で説明しているツイートがこちら。真ん中の説明をみると新旧モデルの外観の違いもわかります。筐体のプロファイルがひと回り小さく、少し丸っこくなっていますね。

Iris Plusの検知距離300mというのは驚異的。ルミナーによると世界最大の測距施設だそうですよ。ちなみに用途が違いますがiPhoneのLiDARはというと最長5Mまで検知。新型Iris、そんなに変わった???という方は次の画像で一目瞭然。

こちらが生産中の現行製品
2025年出荷予定のIris+、すっきり優しくなってます

※追記:Iris+は既に主要顧客向けの出荷を始めているようです。メルセデスではないかと考えられているそうですが正確な情報は伝わってきていません。少し前に「「1cm小さくできるならビジネスの可能性あり、できなければなし」との自動車メーカーの要求に応える必要があった」とCFOのフェニモアが語っていたのはこのIris+だったのでしょうね。

筐体の小型化による空気抵抗軽減で航続距離も伸ばせますし、競合メーカー製品に比べてデザインもしやすいので自動車メーカーにとってルミナー製品を選択するメリットがさらに大きくなりますね。しかしルミナーの発表によれば既に次世代機をにおわせる内容が・・・。

次世代機が何を意味するのかは調べてません→シーゲイトの説明に追加

ここでわずか3年前の10月、ルミナーが発表したレクサスの事例を思い返してみると

上にHydraがどどーんと
横から見たらこれ

3年前にはこれを見て「うぉおおおお、自動運転の未来がすぐそこに!」と言っていたわけで(トヨタさん、例に出してごめんなさい)、そりゃイーロン・マスクが「あんなもん使えるか」とバカにしたのもわかりますよね。今やセンサー類はルーフラインにきれいに収まるように着実に進化を遂げています。

シーゲイトのLiDAR資産

シーゲイト・テクノロジーはHDDやSSDといったストレージの大手メーカーとして広く知られており、これまで出荷した製品の記憶容量はなんと30「億」TB以上(1TBのストレージ30億個分ですよ?)だそうですが、LiDAR関連の開発もやっていたんですね。ルミナーはシーゲイトからIPおよび関連する資産を取得したとのことで(金額は非公開)、どうしてもほしい特許等があったのでしょうか。シーゲイトの資料によると、同社が進めてきたLiDARビジネスの強みとして「低価格」かつ「大量生産に向く」というキーワードが用いられています。シーゲイトが持つIPがコストを10分の1に抑えたいルミナーの目標と合致したということかもしれません。

※追記:上の画像にある次世代機については、シーゲイトの保有している資産を活用した低価格・小型化を実現させた製品になる模様。つまりシーゲイトはかなり重要な鍵となる知的財産を持っていたわけですね。

Seagateは自動運転の市場への浸透を進める

シーゲイトは大量のデータ処理が必要になるADAS~自律運転車両に高度で容量の大きい(TBレベル)ストレージの搭載が進むことを狙ってきました。ルミナーへの売却により自前のLiDARビジネスは潰えたかもしれませんが、システム構成にシーゲイト製品が組み込まれるようになれば新しい市場のシェア獲得につながります。

メキシコ工場

メキシコモンテレイにあるSelestica(セレスティカ)の施設には既に量産ラインを確保し、20万台の製造が可能になっていたはずですがここで決算発表に先行して増産体制に備えた工場を新設したことが明らかになりました。セレスティカの内部に専用ラインを増設とされていないということは自社で建物を確保したということかもしれません。※ルミナーが建設した自前の建物(ルミナーの資産)かどうかはわかりませんが、新設したメキシコの超高度オートメーション工場はやはりセレスティカが製造委託を受けて運営するそうです。同時にタイでFabrinet(ファブリネット)に委託している設備も拡張中ということ。上に書いたとおり今後20車種に搭載するということは各車種に3万台/年間として60万台の出荷が必要になります。早晩現在の設備では足りなくなるであろうことがおよそ半年前から指摘されてきましたのでそれに対するルミナーからの答えということになるわけですね。※3/5再追加 メキシコ工場はルミナー自前の工場で、モンテレイに建設されました。

依然市場環境は厳しいが

株式市場の低迷に伴い以前に思い描いていたようなストーリーとはかなり変わってきたわけですが、ルミナーの株価についてのわたしの強気シナリオは「売上50~100倍(20~40億ドル)、かなりうまく行って株価10~20倍」をめやすに考えています。株価は当てるものでもなし、当たるものでもなし、ですからなんとなくのイメージではありますし、これを達成するためには相当時間がかかることは言うまでもありません。現時点でルミナーが明らかにしているのは5年間で32倍の売上目標(12億+)です。また、ここまで煽っておいてなんですが、そこに到達するまでにあっさり売ってしまう可能性もあります。

株価についてですが、仮に今の10倍以上となると時価総額が大きくなりすぎると考える方もいるでしょう。普通はそうだと思います。しかしルミナーの場合全く新しい市場を開拓しており、自動車業界を始めとする顧客にとって数十年に一度の技術革命をもたらすという高い付加価値があるので実態(売上など)以上の評価が与えられやすいのではと考えていますし、そうならないのであればこんなハイリスクな投資は全く意味がないと思います。※一応、同業他社や同カテゴリーの企業27社(数え直したら24社でした)と比較したデータも作成して今後の成長性や収益性を検討してきた現時点での考え方です。

ルミナーデイのトピックスについては続きを後半に分けたいと思います。

※株価についての予測は全て現時点での「予測」に過ぎません。明日には考え方が変わっているかもしれませんのでこれを根拠に売買をしないでください。新しいハイテク企業への投資は市場環境や経営状況により「全てを失う可能性」がありますのでご注意ください。

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