8月も後半に入ってから出張が激増し、在宅ワーク中のようにゆとりをもって更新できておりません。というのも、まもなくドイツの某高級車メーカーから発売される某高級車用部品のプロジェクトマネジメントを受け持っている関係で様々な準備に追われていて、無事に発売開始されるまでもうしばらく眠れぬ夜を過ごすことになりそうです。当然投資先をチェックする余裕はなく完全に放置していますが幸いなことに株価はあいかわらず絶好調(LAZRを除く)でやはり米国株はいつでも頼もしいですね。

さて昨晩ふとYouTubeを開きますとまっさきに目に飛び込んできたルミナー・テクノロジーズの公式動画。まずはひととおりささっと見ておかれるべきかと思います。

前回もご紹介したとおりインゴルシュタットにあるルミナーGmbHのテストコースでルミナーのHydraが搭載されたレクサスRXAEB(緊急時自動ブレーキ)テストをしているところなのですが、アウディA5テスラ・モデルXも登場していてなにやら意味ありげな展開です。

ADASの信頼性は低い

動画にあるルミナー公式の説明をわかりやすく書き直しますと、

全米自動車協会(AAA)が実施した2020年の調査では、4,000マイルの路上テストでADASを搭載した車両が平均8マイル(約13km)ごとに何らかの問題を経験したことが明らかになりました。ADASは正しい方向ではあるものの現在のシステムは不完全で信頼性がありません。ルミナーはLiDAR製品のIrisによりプロアクティブセーフティーを可能にする統合ハードウェアおよびソフトウェアソリューションを開発しており、これらはカメラやレーダーよりも高速かつ長距離で車両に信頼性の高い情報を提供し衝突回避を可能にするもので、従来のADAS機能を上回ります

Luminar Technologies official YouTube channel

ということです。

AAAの広報資料より

AAAの発表した記事を読んでみると、上記の情報の他にこんな記述が。

研究者は車両をテストした際、ADASのシステムにより他の車両やガードレールに近づきすぎすぎることがあるのに気づきました。また、車両の加速とブレーキおよびステアリングを組み合わせたアクティブな運転支援システムが、ほとんど通知なしに解除されることが多く、ほぼ瞬時にドライバーに制御を戻すこともわかっています。

SAE Internationalによって作成されたレベル0から5の中でレベル2として分類されるアクティブな運転支援は、現在一般的に使用できる最高レベルの先進運転支援システム(ADAS)ですが、AAAは現実的にアクティブな運転支援システムが一貫して機能していないことを繰り返し確認しました。公道では、エラーのほぼ4分の3(73%)が、車線逸脱または車線内で不規則な位置取りをするケースでした。AAAのクローズドコーステストでは、システムはほぼ期待どおりに機能することがわかりましたが、障害物のある車両に近づくと問題が発生しやすくなりました。このテストでは衝突が66%の確率で発生し、平均衝突速度は時速25マイル(40km/h)でした。

AAAの2020年の調査では自動運転車に安心して乗れると回答したのはドライバーのうちわずか10人に1人(12%)だけでした。

American Automobile Association NEWS ROOM

つまり、AAAのテストによると現時点では最高レベルとされるレベル2のADASはあまりにも信頼性に欠けると結論づけているのです。クローズドコースでさえ意図的に障害を設置すると衝突の確率が66%に及ぶとは衝撃的です。

ルミナーの主張は

このテストにおいてLuminarを装備した車は移動中の歩行者人形との衝突を回避できますが、他の2台のADASを装備した車はそうではありません。他の2台はソフトウェア2020.48.37.6を実行するオートパイロットを備えたテスラ・モデルXと、ADAS機能を備えたアウディA5で、それぞれのテスト車両は120mの距離を最高80km/hまでのさまざまな速度で走行しました。

Luminar Technologies official YouTube channel

さて、それでは実際の映像を見てみましょう。

51km/hからのAEBに難なく成功

ルミナーのHydraを搭載したレクサスRXは時速51kmからの自動ブレーキに成功し、余裕を持って静止しています。このシーンで助手席に乗っているのはおそらくオースティン・ラッセルですね。

次はテ○ラのモデルXです。

テ○ラのこのシーンでの最高速度は54km/h
うしろの歩行者人形くんは恐怖におののく

むむむ・・・やはりテ○ラがおちょくられているように感じるのはわたしだけでしょうか。テスラのスピードメーターが54と表示されているのでひょっとしたらマイル表示かとも思いましたが拡大してみるとkm/hでした。50キロ台というと街なかではごく一般的な速度だと思いますのでこれは不安です。

ちなみにこのテストで使用されている歩行者人形くん、もちろんルミナーがDIYで作ったものなどではなく、オーストリアに本社を置くアクティブセーフティー機材専門メーカー4アクティブシステムズの製品で、ユーロNCAPで承認された4activePAと呼ばれるものです。大きさは2パターンあり、成人男性と7歳の子供を想定して設計されています。

ADAS、自律運転のテストに不可欠な歩行者モデル

そして、これはわたしも知らなかったのですがこちらの乗用車型機材も同じく4アクティブシステムズの製品だそうです。

4active C2

続いてアウディA5。

ややスピードは落とすもAEBは効果を発揮せず。

アウディA5はプレセンスシティ(Presensecity)を実装しており、本来ならば10-80km/hでの走行中の緊急時に自動ブレーキが作動するはずですが、AEB(Autonomous Emergency Braking)を発動することはできませんでした。

ルミナーの可能性は感じるが疑問も

7月に行われた今回のテストではルミナー製品の優位性が明らかになったように思えます。そして最も気になるテスラも、地元インゴルシュタットに本社を置くアウディも、この動画を見る限りではルミナーのLiDARを搭載したレクサスに勝てませんでした。

しかし、非常に気になるのはテスラのモデルXが本当にこのようなテストで歩行者を検知できずAEBを作動させられないのだろうかという疑問です。そこで他の動画で確認してみることにしました。

いつものことで恐縮ですがかなり長くなりましたので今回も続きは次回に譲りたいと思います。

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