この記事には全然関係ないのですが、先日大きく含み益の出た日本株を全部売却してしまい、残った株は今年買って微妙にマイナスが出ている(しかも空気を読まずどんどん下落中)1銘柄となってしまいました。日本株は興味を惹かれるものがないので次に大きな下落があるまでもう買わないつもりです。米国株には買いたいものがたくさんあるのですがきりがないのと調べるのに時間がかかりすぎるのでひとまず様子見としておきたいと思っています。

さて、NIOについて書いている途中でふと思ったのですが、一昔前までは中国の自動車メーカーを調べるなんてことは夢にも思わなかったのに今やNIOXPEVが市場を賑わし大きな話題となっていて、しかも自分のブログで中華EVを取り上げることにさえなっているなんて・・時代ですね、時代。

NIOの商品力

NIOの現在のモデルラインナップは次の通りです。

  • ET7 ミドルサイズセダン
  • ES8 6人乗り、または7人乗りのフラッグシップSUV
  • ES6 ミドルサイズSUV
  • EC6 クーペスタイルミドルサイズSVU

厳密には自動車だけでなく家庭用バッテリーチャージャーなどの商品もありますが、今回は自動車に絞ってまとめています。前回の記事で書いた2人乗りのスーパースポーツカーEP9は既にカタログから姿を消しており、現在のフラッグシップモデルは流麗なデザインのセダンET7となります。中国のカーデザインはお世辞にも素晴らしいとは言えないと思っていましたが、NIOのデザインはかつてのどこにでもあるような古臭い中国車のイメージから脱却し、自動車先進国の人気モデルのように洗練された雰囲気を漂わせています。

NIO ET7。控えめに言っても美しいデザイン。

ET7: パッと見トヨタMIRAIを思い出させるファストバックスタイルで、自動車に興味のない人ならどっちがどっちかわからなくなりそうです。もしMIRAIと比較するならば、ですがエクステリアはいい勝負としてインテリアの洗練度ではトヨタのデザインを遥かに超えていると思います。ただし、これに機能性が伴っているかはまた別問題といえます。ステアリングホイールのデザインに関しては高級感に欠けるところですね。中国製品は見た目のデザインだけしっかりしていて実際使ってみると細かいところを何も考えていないということが多々ありますので、もし買うことができるとしてもしっかり検証しておくべきでしょう。これは仮にNIOが多数のヘッドハンティングを行って人材を他の大手自動車メーカーから引き抜いているとしても言えることです。

ET7のサイズですが、全長5,098mm×全幅1,987mmはレクサスLSやメルセデスのSクラスと同等で、全長はやや短いものの車幅に関してはSクラスより5センチ以上大きいのです。このサイズ感でBMWの5シリーズやメルセデスのEクラスに相当するEセグメントのミドルサイズセダンというのはやや違和感があります。

シンプルで洗練されているが、機能的にどうか、つかいやすいかは全く不明。

ほかにひとつだけ触れておきたいのは、NIOはEVテクノロジーと並行して自動運転にも力を入れてきたので、ET7にはデザインの一部に最初からセンサーが組み込まれています。ここが他の新興EVメーカーと違うところですね。ルーフ先端に埋め込まれているInnovusionのLiDARセンサーがこちら。ちなみにInnovusion元百度の幹部が立ち上げたセンシング技術のベンチャーで、NIOも出資しています。

真ん中がLiDAR、両端は高解像度カメラ。
AQUILAと名付けられたNIOのセンシングシステム。。

LiDAR、11台の高解像度カメラ、5ミリ波レーダー、12台の超音波センサー、冗長高精度ローカリゼーションユニット、33台の高性能センシングユニットを装備しているそうです。

ES8: ホイールベース3,010mmというかなり大柄なSUV。車の性格が違うので単純比較はできませんが、先日発表されたランドクルーザー300のホイールベースが2,900mmだというのを考えると車内空間は相当広々としたものになりそう。このあたりは走行性能と快適性のバランスというか方向性なんでしょうね。大きい車体だけあって当然シートは3列で、2列目が2席か真ん中にもシートがある3席かで6人乗りと7人乗りのバリエーションを構成しています。

写真ではわかりにくいが大きなボディーに3列シートを備える。

こちらはインテリア。驚くほどそっけなく、高級感はこの写真からはほぼ感じられませんね。

黒を貴重としたシンプルなインテリア。割り切りすぎではないかと思うが。

ES6/EC6: EC6はES6のスタイルをクーペ風にアレンジしたものでルーフラインに特徴があり、よりスポーティーでエレガントなデザインとなっています。どちらもスペックは同じで最大走行距離は615km、0-100km/hは4.5秒とSUVにしては相当に速く、ガソリンエンジンでなら各メーカーのハイパワーモデル、たとえばBMWのM3やM4と肩を並べるレベルです。※ただしカタログスペックが本当の場合に限る

こちらがES6。
こちらはEC6。ルーフラインとCピラーの造形を見ていただくと2台の違いがわかる。

今回調べてみてNIOの完成度には大変驚きました。わたしも中国で長年仕事をしていて思ったのは、中国では多くの資本主義国家とは異なり、長い期間をかけて諸外国の常識といいますか基準みたいなものに馴染んでから自国の製品を作ってきたのではなく、ある意味なにもわからず知らない部分に対しても自由な発想で自国のためにものづくりをしているので多少飛躍したものをいきなり作れる強みはあるかもしれません。言い方を変えると怖いもの知らずということになるでしょうか。実車に触れる機会はおそらくまだまだこないと思いますが、画像や映像で見る限りは非常に良くできていると感じました。

最後にNIO Pilotについて。NIO PilotはNIO独自のADAS関連システムで、フルパッケージでは次のような機能が用意されています。

  • アダプティブクルーズコントロール
  • 自動駐車アシスト
  • レーンキーピングアシスト
  • クロストラフィックアラート-リア
  • クロストラフィックアラート-ブレーキ
  • メーターパネル上の動的表示と自動レーンシミュレーション
  • 自動ハイビーム
EVの開発・製造にとどまらずADASの進化にも取り組む。

NIOについて調べだしたらどんどん中身が増えてしまいました。最後にもう一回NIOについての記事を書いて終了としたいと思います。では次回また。

→中華EVのNIOはテスラを超えるか・前編

→中華EVのNIOはテスラを超えるか・最終話

3 thoughts on “中華EVのNIOはテスラを超えるか・後編”

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