絶妙なタイミングでローズタウン関連の情報が流れてきたのでヤフーファイナンスを引用しながら説明したいと思います。

今回の記事ではローズタウン・モーターズ唯一のカタログモデルであるENDURANCEについて触れていきます。ENDURANCEは世界初と唱えるBEVピックアップトラックで、最大の特徴は4つのインホイールハブモーター、つまり4輪のそれぞれにモーターが備わる機構を実装しているところです。通常の自動車は、エンジン部分から車輪に動力を伝える機構が存在し、その配分を変えることで様々な地形や走行中の状況に適応することができます。たとえば4輪駆動車の場合、通常時はフロントの駆動に比重を置きFFに近いフィーリング、前輪2輪と後輪の片側のタイヤしか接地していないときには浮いているタイヤを回転させないようにする、雨でスリッピーな状況では4輪ともにトラクションをかける、という制御が行われることがありますがこれを途中の機構で制御することになるとその分様々なメカ部品が必要になり、コスト、スペース、重量が増えるわけです。

しかしローズタウンの理屈では4つの車輪が全部ホイール内のモーターで制御されるので、動力と車輪をリンクする駆動部品が極端に少なくなり大幅な車重のダイエットやコストダウン、メンテナンス性向上などのメリットにつながります。ENDURANCEの基本性能は次のようなものです。

ENDURANCE

  • 本体価格 52,500ドル
  • 乗員定員 5名
  • 最大出力 600hp
  • 最高速度 128km/h
  • 最大走行距離 400km~
  • ADAS-LDW(運転支援・車線逸脱アラーム)
  • AEB(緊急ブレーキ)
  • リアクロストラフィックアラート(後方衝突軽減)
  • ソフトウェアOTA(ワイヤレスアップデート)

これが画期的でかつてないほどの魅力と先進性を備える未来のEVというならともかく、ローズタウンのウェブサイトに掲載されているスペックはインホイールハブモーター以外はごく普通のものに思えます。わたしは少なくともエクステリアの全体的なデザインについてニコラBadgerより多少モダンでいいと思いますが、センスがあるかというとやっぱり微妙ではありますね。

さて、今朝のヤフーファイナンスにはスティーブ・バーンズ辞任で揺れるローズタウンにとってさらに追い打ちをかけるような内容の記事が出ていましたのでご紹介しましょう。

Lordstown Motors admits that electric truck orders aren’t ‘firm purchase commitments’

わかりやすく書くと、ローズタウンは注文をもらっているが完全に確実なものではないということを認めた、という内容です。それに加えてなんとも気の毒な指摘として、インホイールハブモーターが根本的な問題だと記されているのです。そもそもここが最大の売りなのに・・・。

こんなにすごいファクトリーを持っているのにどうする、ローズタウン

インホイールハブモーターは創業者のスティーブ・バーンズが支持していた技術であるが、故障時のコストが膨大であるなどの問題もあり代替技術の導入が望ましい。だがそうなるとアーキテクチャーを刷新して生産するまでには1~2年を要することになる。さらには株主のためにバーンズが任命した経営陣もオーバーホール=総入れ替えしなければならないだろう。

Yahoo! Finance

ヤフーファイナンスの記事を書いた筆者の意見とは言え辛辣といいますか、ほぼとどめを刺したような内容になっていて、朝起きて読んだ時になぜか心が痛かったです。株主(ストクロでは、保有する米国株について便宜上「株主」という言い方をしています)でもないのに関係ないだろうという話ですが、車好きとしては新興メーカーにも頑張ってもらいたいんですけどね。

オハイオ州のローズタウン工場にちなんでローズタウン・モーターズという社名になっているわけですが、ローズタウンがこけたら長年GMの生産拠点として実績を積んできたはずのローズタウンの村の人々(3,000人少々らしい)にとってはなんとも迷惑な話になってしまいます。街の名誉を守るためにもここはなんとかこの新興EVメーカーに頑張っていただきたいところです。

→資金不足のローズタウンに救いはある?へ

→資金不足のローズタウンに救いはある?その3へ

2 thoughts on “資金不足のローズタウンに救いはある?その2”

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