次のテスラ、テスラを超える、呼び方は何でもいいのですが雨後の筍のように生まれた数々の新興EVメーカーが自動車市場でも株式市場でも急激に注目を集めてきました。前回取り上げたニコラは現時点で生きているプロジェクトが大型トラックの2モデルでした。今回のローズタウン・モーターズ=Lordstown MotorsNasdaq:RIDE)は今のところENDURANCEというピックアップトラック一本で勝負をかけています。次のような筋書きになります。

  • 存在感の薄い創業者スティーブ・バーンズ
  • ENDURANCEの完成度
  • 資金不足
  • スティーブ・バーンズの辞任

ローズタウン・モーターズ、なんとなく名前がかっこいいし、なんとなく車のデザインが未来的だし、最近流行りのSPAC銘柄だし、よくわからないけどなんとなく株を買ってみたという方には耳が痛い内容かもしれませんが、興味があってこれから投資してみようかどうしようか、という方には予め読んでいただきたい情報をお届けいたします。

創業者のスティーブ・バーンズ

ローズタウンの創業者スティーブ・バーンズSteve Burns)は、2006年に電気自動車メーカーのAMP Electric Vehiclesという会社を立ち上げています。このAMPはもともとガソリンエンジンをベースにして独自のコンポーネントにより電気自動車にするというアイデアで、他社の人気モデルを電気自動車として設計し、AMPに売ってもらって自社モデルとして販売するというビジネスモデルでした。

しかし現実には、スティーブ・バーンズの呼びかけに自動車メーカーが乗ってこなかったこと、そしてEV市場が2010年以前には予想していたほどに成長しなかったため業績はパッとしませんでした。

そこでスティーブ・バーンズは、フリート車両をまとめてEV化(平たく言うとクロネコヤマトの配送用バンを全部うちでEV化すれば儲かる!といようなこと)するために調査を始め、大型の配送用ステップバンに目をつけました。配送用ステップバンは車重が重くエアロダイナミクスの問題もあり燃費が悪く環境にも良いとは言えません。すると運のいいことにトラック製造メーカーのナビスター=Navistar InternationalNYSE:NAV)がステップバンを製造する子会社のワークホース=WorkhorseNasdaq:WKHS)を売却するという案件に巡り会い、なんと2015年に格安でワークホースの買収に成功します。そこからAMPはワークホースのプラットフォームを使って電気自動車の製造を拡大、2019年にGMローズタウン工場を買い取ってローズタウン・モーターズとし、スティーブ・バーンズはワークホースのCEOを辞任して電気自動車の製造に注力します。

ここまで読むと、スティーブ・バーンズはEVの歴史に燦然と輝く電気自動車のカリスマとさえ思えるかもしれません。しかし彼について伝えられる情報をまとめると、大きな製造メーカーを経営した経験がないスティーブ・バーンズの経歴は当初からローズタウンのCEOとして不適格ではと不安視されていました。本来製造ラインを持つ自動車メーカーをゼロから立ち上げるためには少なくとも10億ドルの資金が必要とされていますが、かつてAMPという小さな会社のオーナーであったスティーブ・バーンズは幸か不幸かワークホースを市場価格より遥かに安く手に入れたことで、資金はないのに製造プラントがあるという状況に置かれてしまったのです。※AMPの2012年の売上高はわずかに数十万ドルだった模様

ローズタウンのファクトリーで稼働するファナックのM-900iA(重可搬知能ロボット)

2番目から先は続編で取り上げます。

→資金不足のローズタウンに救いはある?その2へ

→資金不足のローズタウンに救いはある?その3へ

2 thoughts on “資金不足のローズタウンに救いはある?”

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