ちょっとタイトルが変わっていますが前々回の続きのような内容となります。

昨日の米国株式市場は、「インフレへの懸念が弱まったため」反発したらしいです。え???じゃあ懸念がまた強まったから今日は下げるのかい?いちいち細かい情報で中長期で取引する個人投資家が左右される必要なんて全くないし考えることさえ無駄だと思いますよ。マスコミの後付の論評なんて無視するのが吉です。

さて、テスラとLiDARについての世間の考え方はわたしには相容れないものがあります。それは、イーロン・マスクはLiDARが嫌いで完全に否定し馬鹿にしてさえいる、だからテスラがLiDARを使うことはないという考え方です。

テスラがLiDARを採用する可能性

テスラはLiDARのテストをずっと続けている:数日前にテスラのモデルYにルミナー・テクノロジーズのHydraを搭載してテストしている車両が話題になり、これはもしや???とルミナーの株価が一時大きく上昇しました。しかしこれは今に始まったことではなく以前からテスラがLiDAR(ルミナー)のテストを継続していることが知られています。世界一先進的なテスラが、ほぼ業界全体で取り組んでいるLiDARのテクノロジーを無視して自社の技術を過信することなどありえません。

実際、テスラのAIとオートパイロットビジョンのディレクターであるAndrej Karpathy(アンドレイ・カルパシー)は、LiDARは自律走行や視覚認識における技術的ショートカットだと発言しています。意味のない、ゴミのような技術などではないと最初からわかっているのです。

価格面での事情が変化している:マスクがLiDARを否定した大きな理由のひとつは、その価格にあったと思います。ほんの少し前にはLiDARの実装には数十万円のコストが必要で、それは車両価格を大幅に引き上げる恐れがありました。しかし業界では熾烈な競争が進んでおり、既に価格は大きく低下しました。ルミナーの最新作Irisの本体価格は500ドルと伝えられています。今や車両価格が4万ドル~の車にとって致命的なほどコストが高いとはいえないはずです。

LiDARセンサーそのものの進化:自動運転のテスト車両にはルーフトップにいろんな機器類が搭載されています。Velodyneの印象的な円筒状のセンサーがくるくる回っている様子など、何かが動作しているようでハイテク感はあるのですが洗練された高級車にこんな目立つデバイスが乗っかっているなんて許せないと思うことでしょう(Velodyneには非回転式の製品もあるが)。いつのものかは忘れましたがルミナーのオースティン・ラッセルがインタビューで「ルミナーのLiDARもあのくるくる回るやつがついてるんですか?」と聞かれて即座に否定していたことがありました※追記:Luminarが提供するこちらの動画に出ていました。デザイン的な要素ももちろん無視できるはずはなく、テスラのデザインをほとんど阻害しないサイズの機器でなければならないことになりますが、今のルミナー製品だとそれほどの問題ではないように思えます。むしろよく見ると何かがついている、というのはひそかな満足感につながるかもしれません(自慢できるし)。

テスラのFSDは瀬戸際にある:最近になってテスラの車両が立て続けに事故を起こし注目を集めています。ですが数ヶ月前からコンシューマー・リポートがテスラの自動運転にかなり大きな疑念を表明しており、28件ものテスラ車両の事故を調査中という当局も今後のテスラの扱いに非常に慎重になっていることは間違いありません。考えられる大きな影響としては、テスラが「オプションをつければ購入後の継続的なアップデートであとから自動運転機能がいろいろ付きますよ」という宣伝ができなくなる可能性が指摘されています。コンシューマー・リポートは「テスラのFSDは自動運転と称するに値しない」と指摘しているのです。自信を持って送り出している技術に大きな疑問符が付けられたら、相当根本的な改善を図るしかないでしょう。このコンシューマー・リポートで何を指摘されているかはかなり面白いので続編で触れたいと思います。

カメラ技術の限界:カメラのセンサー以降にあるのはデジタル技術かもしれませんが、カメラ自体は究極のアナログの世界です。映像を捉える目、カメラのレンズは芸術的なほど精度が高いものですが、わたし個人としてはカメラそのものの構造や特性が様々な誤差や欠陥を生む原因になるのではと感じています。

イーロン・マスクはわたしのような凡人が束になってもかなわないほどの天才です。その10人並みの超天才に世界中から各分野の天才が加わって成り立つ巨大企業が根本から物事を理解できないはずがあるでしょうか。

テスラがLiDARを搭載する日はそう遠くない未来にやってくるかもしれません。

5月27日追記:テスラはこれまで採用していた光学カメラ+レーダーの仕組みをやめて、光学カメラのみで自動運転を実現する方向へ舵を切ったようです。今月以降北米市場で納品されるモデル3、モデルYにはレーダーが搭載されません。

さすがイーロン・マスク、なにもかもが驚きです。

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