2021年4月15日現在、LAZRの株価は19.21ドルと終値で今年に入って最安値を更新中です。最安値は昨年10月の9.95ドル、最高値は昨年12月の47.8ドルでしたから半分以下の下落です。一体何が起きたのでしょうか?いろんなサイトのコミュニティーを覗いてみると、「なんで下がり続けているのか誰かわかりますか?」というような悲痛な声があちこちに書かれていてホルダーの嘆きがうかがえます。
下落の理由はいろいろあるのでしょうが、はっきりしているのは長期金利の急激な上昇による懸念からグロースとハイテクがほぼ壊滅状態であるということです。しかもルミナーは昨年末に13億ドルの注文が見込めるとしているもののまだ製品の出荷段階に到達していません。上場後急激に株価が上昇し、Market Cap(時価総額)が大きくなりすぎたのも嫌気されていると思います。つまり、売られている理由は平たく言えば「市場も悪いし今買う必要がない」ということだろうと思います。
次に、ルミナーにおける具体的なリスクを詳しく書いてみます。
ルミナー株におけるリスクは
競争の激化:LiDAR技術は今や大ブームとなってもてはやされていますが、その分競争も激化しています。低価格でのLiDARセンサーを売りにした新製品を開発したVelodyneLidar(ナスダック:VLDR)、インテルの子会社でルミナーの顧客でもあるMobileEyeなどがそのひとつでしょう。
収益化にはまだまだ時間がかかる:ルミナーが予測している2022年中の売上はたったの3500万ドルで、もちろん今のところ大量生産の実績はゼロ。2022年に製品のデリバリーを開始するとはいうものの製造段階でどんな課題が見つかるかもわからず、実際に予定通りデリバリーできる証拠はどこにもありません。
まだ製品が出荷できておらずスタートアップでじゃんじゃん赤字を垂れ流している、マーケットも全体的に悪い、つまり株価は弱い。ここまでは現実の株価を見ればわかると思います。ではルミナーにとっての希望、良い情報はどうなのでしょうか。
ルミナーに明るい未来はあるのか
結論から言えば、現時点での株価はボロボロといっても未来は非常に明るいです。今の株価の下落は長期投資を望む人にとっては素晴らしいバーゲンセールのチャンスでしょう。「ルミナーになにが起きたの?なんでこんなに下がってるの?」という声が出ていることは逆にいい兆候と思えます。次に、ルミナー・テクノロジーズを評価できる材料、株価が期待できる理由をあげていきたいと思います。
世界を変える可能性をもつ創業者:これはもういうまでもないでしょう。天才エンジニアで創業者のオースティン・ラッセルの存在です。日本では天才と呼ばれてもちょっと失敗すると死ぬほど叩かれてもう表に出てこられなくなってしまうことがありますが、アメリカでラッセルがハイテク業界の表舞台から姿を消すことはまず考えられません。今後100%注目はさらに高まり、それと共に実績も名声も大きくなっていくでしょう。彼が9年間かけて開発してきた技術がいよいよスポットライトの前に踏み出そうとしている、まさにその瞬間をわたしたちは目にしています。
ルミナー製品の優位性:ルミナーのLiDARセンサーは以下のような点で業界最高レベルとされています。
- センサーの距離が長い(業界で平均的に150m以下に対し250メートルの可視性)
- 最高の解像度(300pixelで他社の3倍)
- 耐候性に優れる(通常LiDARセンサーは悪天候で感知力が下がるがルミナー製品は情報の劣化がない)
- 干渉防止技術(太陽光や他のLiDARからの干渉が理論上ゼロとされる)
- 市場で最も低コストの高性能システム
このため優位性の高いルミナーのセンサーは市場を大きく獲得する可能性が高く、今後10年間で世界中の自動車のうち5%以上に導入されるとの予測も。ここまで株価が下がっているのにアナリストから買い推奨(強い買い推奨はほとんどないが)が出ていることからも期待が失われているわけではありません。
当然ながら、ボルボの採用が決定していること、SAIC(上海汽車集団)とのビジネス、さらにはブルームバーグが認めたアップルカーでの採用の可能性など未来に向けての材料はいろいろと揃ってきています。
よって、再び結論を書くと「10年先を見据えた長期投資としては素晴らしい買い物」でしょう。ちなみに、いろいろなアナリストがこの下落局面でも割と楽観的に「早めに40ドル、50ドルには戻るだろう」と書いていますね。信じるか信じないかは、あなた次第ですが。
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